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熱計算の方法を教えてください

Q7a:家庭用の風呂(200リットル、水温0℃)を2時間で40℃に沸かすには何kWのヒーターが必要ですか?
A7a:効率を90%として、5kWのヒーターが必要です。
Q7b:石油缶一杯(17リットル)の水温10℃の水を30分で80℃にするには何kWのヒーターが必要ですか?
A7b:効率を90%として、3kWのヒーターが必要です。
 
解説

  • 阪神大震災の際、1kWの水用ヒーターの問い合わせが多く入ったことがあります。家庭のガス風呂用のガスが来ないため、いち早く復旧した電気を使って風呂を沸かそうというものでした。
  • 200リットルの浴槽の場合、水温to=0℃として快適な温度t=40℃程度のお湯にするには、その差Δ=40℃(t-to)の温度上昇をさせる必要があります。
  • 200リットルの水では5kWのヒーターで2時間必要で、1kWだと10時間もかかってしまいます。(以下の例1を参照)
    水温が20℃あったとしても5時間必要です。放熱も考えると、実用的ではありません。
  • 用途にあったヒーターを選ぶ、これが大切なことです。
    電力、形状、材質など電気ヒーターのことで迷ったらぜひ、日本ヒーターへお問い合わせください。
  • 次にヒーター電力の早見表を示します。この表は1時間である温度上昇をするためのヒーター電力を示しています。

実際に表を使って上記の二つの例題を解いてみましょう。

ここでは計算式を使わず、数表を用いています。
熱計算の詳細については、設計資料の熱計算のページをご覧ください。

例1:Q7a 200リットルのお風呂の問題

  • 加熱する水の量200L(リットル)の列と、温度上昇Δt=40℃の行が交わるところをみます。ヒーター電力は10.0kW必要であることがわかります。
  • 2時間では半分の5kWが必要です。

例2:Q7b 石油缶17リットルの水の問題

  • 加熱する水の量17L(リットル)の列と、上昇温度差Δt=t-to=80-10=70℃の行が交わるところから、ヒーター電力は1.5kW必要です。
    但し、これは一時間での加熱を計算しています。
  • 30分ですからこの2倍の電力が必要となり、3kWのヒーターが必要です。

水加熱におけるヒーターの必要電力早見表

Δt
加熱する水の量[L](リットル)
5L10L17L20L30L40L50L100L150L200L500L
必要なヒーター電力(効率は90%として計算)
535W70W110W130W190W250W320W640W950W1.3kW3.2kW
1064W130W220W250W380W500W640W1.3kW1.9kW2.5kW6.4kW
1595W200W330W380W570W760W950W2.0kW2.9kW3.8kW9.5kW
20130W250W430W500W760W1.0kW1.3kW2.5kW3.8kW5.0kW13kW
25160W320W540W640W950W1.0kW1.6kW3.2kW4.8kW6.4kW16kW
30190W380W650W760W1.2kW1.3kW1.9kW3.8kW5.7kW7.6kW19kW
35220W450W750W900W1.4kW1.5kW2.3kW4.5kW6.7kW9.0kW22kW
40260W500W870W1.0kW1.5kW1.8kW2.6kW5.0kW7.6kW10kW25kW
45300W570W970W1.2kW1.7kW2.0kW2.9kW5.7kW8.6kW12kW29kW
50320W640W1.1kW1.3kW1.9kW2.3kW3.2kW6.4kW9.5kW13kW32kW
55350W700W1.2kW1.4kW2.1kW2.5kW3.5kW7.0kW10.5kW14kW35kW
60380W760W1.3kW1.5kW2.3kW2.8kW3.8kW7.6kW11kW15kW38kW
65410W830W1.4kW1.7kW2.5kW3.0kW4.2kW8.3kW12kW17kW41kW
70450W890W1.5kW1.8kW2.7kW3.3kW4.5kW8.9kW13kW18kW45kW
75480W950W1.6kW1.9kW2.9kW3.8kW4.8kW9.5kW14kW19kW48kW
80500W1.0kW1.7kW2.0kW3.0kW4.0kW5.0kW10kW15kW20kW50kW
85540W1.1kW1.8kW2.2kW3.2kW4.3kW5.4kW11kW16kW22kW54kW
90570W1.2kW1.9kW2.3kW3.4kW4.6kW5.8kW12kW17kW23kW57kW

温度差Δt=t-to

注意

ヒーターの電力は、放熱を考慮しないと所定の温度まであがらない、といった事態に陥ります。下記の三項目を検討の上、その合計からヒーターの電力を決定します。

  • 加熱物(例えば水)自体の熱容量
  • ケーシングや水面からの放熱量
  • その他に考えられる放熱量
    • 保温断熱をしていない
    • フタをしていない(風呂など)
    • 室温が変化する
    • 屋外に設置する
    • 加熱物の流速
    • ケーシングの底部が直接コンクリート床に面接触している(設置条件)
    • 屋外で風が強い

場合によっては大幅に放熱分などを補うことが必要な場合もあります。

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