ヒーターエレメントの材質はどのように選定しますか
使用環境・条件により選定する材質は異なります。
注意点と大まかな一覧表「ヒーターエレメント(パイプ)の材質と用途」を下記に示します。
ヒーターエレメント(パイプ)の材質と用途
材 質 | 名 称 | 備 考 | 気体加熱用 | 液体加熱用 | 金属加熱用 | |
SUS | 304 | Stainless Steel | 18Cr,8Ni | 一般 | 水、油 | 一般 |
316L | 16Cr,12Ni, 2Mo,極低C | 腐食性気体 | 有機溶剤 | - | ||
インコロイ 800 | Incoloy | 19~23Cr, 30~35Ni 1.5Mn,1Si | 耐高温 | - | - | |
ハステロイ C22 | Hastelloy | 67Ni,20Cr, 13Mo | - | 耐酸 | - | |
チタン | Titanium | Ti | - | 耐海水、王水 | - | |
鉄 | Iron | Fe | 中温気体 | 油 | 鋳鉄 | |
銅 | Copper | Cu | - | 水 | - |
注意点
ヒーターエレメント(パイプ)の材質は、用途に適した材質を選定してください。(当社標準は、SUS304、SUS316Lです。)
上表以外は純ニッケル、インコネルなども実績があります。シーズヒーター以外では石英ガラス、セラミックなどがあります。また、表面加工(メッキ、フッ素樹脂加工など)を付加することがあります。
ヒーターエレメント材質の選定にあたっては、通常次の点を考慮します。
- 耐熱性
- 強度
- 耐食性
- 熱伝導率、温度伝導率
- 熱膨張特性(特に気体用や金属用)
- 材料入手性
- 加工性(曲げ特性、溶接特性など)
- コスト
ヒーターの腐食は保証外
ヒーターを腐蝕性液体などの加熱にご使用になる場合、ヒーターパイプ(ヒーターシースおよび接液部)の材質、ワット密度の選択には注意が必要です。ご使用になる前にその環境条件において耐蝕性のある金属か、再度ご確認ください。
基本的に材質の選択は、お客様の判断においてなされるものとします。ただし、その選択に当たっては、日本ヒーターの経験・実績に基づいてご相談に応じます。
例えば液体加熱用シーズヒーターの場合ご注文時に特にご指示がないとステンレス(SUS316L)を使用しますが、その材質を保証するものではありません。
その他の材質のヒーターにおいても、腐蝕性被加熱物の加熱におけるヒーター腐蝕による不具合は、全ての製品で「保証外」となりますので、ご了承ください。