シーズヒーターで何度まで加熱できますか?
条件にもよりますが、シーズヒーターを安定して使える最高温度は、600℃程度までと考えています。
ヒーターを600℃で使用すると、ヒーター内部はより高い温度に達していると推察できます。
発熱線の耐熱温度は種類によっては1000℃以上ですが、これより低い温度で絶縁材マグネシアの絶縁抵抗が低下します。(マグネシアの種類により特性は異なる)
絶縁抵抗の低下・発熱線の断線やその他の問題点を考慮し、安定的に継続してシーズヒーターを使用する場合の最高使用温度は
「600℃程度」
とお答えしています。
注意
- 但し、実際の使用条件により最高加熱温度は異なります。加熱の条件・被加熱物の種類など、考慮すべき点がいくつかあり、一言で「何度まで」と表現するのは困難です。
- 電気ヒーターによる加熱方法や用途については、「電気ヒーターを使うヒント」をご参照ください。
- 高温になればなるほど危険性は高くなり、コストもかかります。
- 耐熱構造・耐圧構造・耐食材料・放熱対策・温度過昇防止・より厳密な温度コントロール・その他総合的な安全対策など、設計要素は格段に増えます。
- 以下の条件では、シーズヒーターの提供はできません。他の加熱方法をご検討ください。(下記<補 足>参照のこと。)
- 加熱温度が900℃以上といった高温の場合、シーズヒーターでは対応できませんのでそれ以外の方法をご検討ください。
補足
最高使用温度:上限を決める要素の例
- JISで規格化されている発熱線の最高使用温度(JIS C 2520参照)は以下のようになっています。
- 「電熱用ニッケルクロム線」:約1100℃
- 「電熱用鉄クロム線」:約1250℃
- しかし、これがシーズヒーターの最高使用温度にはなりません。
絶縁粉末(マグネシア MgO)の絶縁抵抗特性を基準に考えると、シーズヒーターとしては800℃程度までが継続して使用できる上限と言われています。但し他の制約も考慮し、一般的には「600℃程度」まで、とお考えください。 - また加熱温度が比較的低くても、熱を伝えにくい物質を高いワット密度のヒーターで加熱する場合は注意が必要です。
ヒーター内部温度は表面温度より、かなり高温になることが考えられます。
このため、ヒーター内部の過熱で絶縁が劣化したり、発熱線が断線したりする可能性が高くなります。
さらに被加熱物に対する耐食性など他の要因を考慮する必要がある場合、最高使用温度はさらに低く設定しなければなりません。
被加熱物の種類、ヒーター電力、加熱方法、など詳細仕様はお客様のヒーティングシステムによりそれぞれ異なります。
ご不明な点・詳細については日本ヒーターにお問い合わせください。